それは簡単なこと。国の考え方は、国民の健康を犠牲にして医療費を減らしたいという方針。これを改めることが必要。国民の「健康で文化的な生活」を保障するのは国の責任。医療費の総額を増やさねばならない。
こういうと、財源が問われる。私は経済の専門家ではないが、多くの経済学者が「医療福祉への投資は、消費を刺激し、数百万の雇用をつくり、投資以上の経済効果を生む」と言う。医療や福祉・教育などすべての国民が必要とし、国の成長の根幹を作る、いわゆる社会的共通資本には、十分にお金をかけるべき。
次に大切なのは、医師や医療従事者を大幅に増やすこと。現場では長時間労働や医療事故・訴訟が問題になっている。そのため、勤務医が病院を離れて都会で開業するケースが増えて、地方には医師がいなくなる。面倒な治療を避ける傾向もある。
勤務医の負担を軽くし、医学部の定員を増やすこと。年間2000人増やしても、臨床医が十分に整うには15年はかかるので急を要す。
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