堤 静雄先生と一緒に
社会問題を考えよう
戻る

REPORT TSUTSUMI
TOP PAGE > つつみレポート > 日本の医療は救えるのか!

日本の医療は救えるのか!
2.産婦人科医の不足




 04年に中津・国東市には10人、佐伯市には6人の産婦人科医がいた。しかし、08年1月にはどちらの地区にも一人ずつしかいない。

 一体全体どうなっているのか、国民には分からない。

 全国から産婦人科医がいなくなったというよりも、正しくは、お産を扱う医師が急減した。その理由。医療裁判で最も多いのが産科領域。産児の命が失くなったり、障害者になったりすると、医師に問題があったのではないかと疑われる。期待が大きい場面なので感動も衝撃も大きい。そこが判っていたからこそ、産婦人科医は365日24時間オンコールの状況に置かれても、新しい生命の誕生に立ち会える喜びを共有するために頑張ってきた。

 ところが、このような産婦人科医の生き甲斐の根源を大なたで断ち切るような“事件”が起きた。
 04年12月17日福島県立大野病院で帝王切開の手術で癒着を剥がす際に予期せぬ大出血が起こり、妊婦が死亡した。その医師が06年2月18日、診療中に警察官に踏み込まれ、縄をかけられて逮捕された。
 不可抗力、予見不可能な医療事故で縄をかけられた!ということは、またたく間に産婦人科医の間に広まった。そればかりか医療界全体を震撼させた。予見できない状況でも患者が亡くなったら殺人犯と同じように逮捕される!こんなことでは医者はやっておれない。婦人科はまだしもお産は止めよう!これが最大の理由。

 産婦人科のあった病院で産婦人科医が大学から引き揚げられ、産婦人科が閉鎖されたところも多い。04年4月から卒業後の臨床研修制度(国家試験を合格しただけでは実際の診療は全くできないので、2年間の診療経験と訓練を受ける制度)が始まった。それまで、その訓練はほとんどその大学病院で行なわれていたが、その枠が自由になって研修医が都市に希望を集中したため、地方の大学病院に医師不足が起こり、これまで大学が僻地等の病院に派遣していた医師を引き揚げるという事態になった。そのため、産婦人科の診療を止める病院もでた。
 これでは里帰り出産は夢になってしまう。政治の貧困がその原因。

つつみレポート
後期高齢者医療制度の問題
 
TOP PAGE > つつみレポート > 日本の医療は救えるのか!
眼鏡屋イナバ
〒841-0035 佐賀県鳥栖市東町一丁目 0942-82-1783
稲葉 實  Minoru Inaba  稲葉 房子 Fusako Inaba

VDT Eye Test Chart
2006.3.30
japan saga tosu
minoru inaba